大学教員のトリセツ【応用編】講義はエンタメ重視で「陽キャ」がウケる? 企業とは違う"異文化の世間"と"学会のオキテ"
幸い、筆者が専攻する経営学の場合は、企業人と会う機会も多いので恵まれていたほうかもしれない。それでも、外部との接点を意識的に創り出さなければ、「井の中の蛙、大海を知らず」になりかねない。
そこで意味を持つのが学会だ。ビジネスパーソンでも外との人脈を大切にしている人は少なくないが、アカデミアはより人脈が重要な意義を持つ世界である。関係を深めた先生から、「うちで1人採用する予定ですが、どうですか」「どなたかよいお弟子さんを紹介してもらえませんか」と声をかけられることも少なくない。公募の裏側では、こういった両面戦略が遂行されている。
採用以上に学外との関係が重要な要素となってくるのが、研究活動である。共同研究を行い、学会や学術誌で共同発表・共著をするために、他大学の先生と密に連絡を取り合い、一緒に海外調査に出かけたりもする。
つまり学会という「学外の場」が、人脈を構築するうえで重要なアカデミック・サロンになっている。大学の先生の人間関係の半分、いや半分以上は学会にあるといっても過言ではない。
学会とともに重要な「教員としての要素」
だから、学会後の懇親会やその後の2次会は大切な情報交換の場になる。ビジネスの世界と同様、楽しい飲み会になることもあるが、多くの場合、学会仲間が集えば学問に関する議論や大学業界ネタで盛り上がる。
もちろん、転職しキャリアアップしていくうえで、こうした学会人脈も有効ではあるが、大学では紙に残る「業績」が最も重要視される。これがなければ、大学教員への扉を開くことはできない。いくら偉い先生が知り合いにいたとしても、推薦するのに苦慮するだろう。
「教授会」という、いかにも権威があるかのような名の(権威があることになっている)会議も、大学独特の意思決定機関だ。教授会や委員会の会議で集まって話をするが、あまり意気投合しているという感じはない。大学組織はさまざまなので一概には言えないが、厳しい指摘をする先生が1人でもいると教授会が紛糾することもある。つるし上げられた結果、ノイローゼになった先生がいたという話も聞いた。
(【実践編】に続く)
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