住友林業と電通が発表した「社債型種類株式」は個人マネーを大きく動かすイノベーションだ

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ハイブリッド証券を利用した資金調達自体は古くからあり、機関投資家向け市場では比較的ポピュラーでした。しかし、複雑な商品設計の上、最低投資額も1億円と大きく、個人に門戸は開かれていませんでした。

そんなハイブリッド証券を個人投資家向けに再設計し東証に上場させ、そしてNISA対象とした――これこそが社債型種類株式というイノベーションなのです。

前掲の2社に先立ち、ソフトバンク、インフロニアHD、ゼンショーHD、ANA HDがこれまでに発行しています。

この株式のメリットをまとめると以下のようになります。

個人投資家から見た魅力:
・上場企業が発行する有価証券の一種
・債券の利息のように、定期的に配当金が支払われる
・債券の償還のように、あらかじめ定められた期間ののち、発行企業により額面で取得されうる(コール条項と呼ばれ、5年後の償還が一般的)
・普通株式と違い、議決権はない
・社債より利回りが高く、株式より値動きが少ない
・NISA対象で非課税
企業からみた魅力:
・主に個人投資家を対象にした資金調達手法
・調達コストは、債券より高く、株式より低い
・支払順位は、普通株式に優先し、社債に劣後する
・議決権の希薄化はなく、一株当たり利益やROEへの影響もほぼ無い
・格付上は50%資本、会計上は100%資本と認定され、財務健全性指標が改善する
・NISA制度を通じ、個人マネーのダイレクトな取り込みが可能

大企業の資金調達をNISA投資が支える

「資産運用立国」――。岸田政権が提唱し、高市政権においても引き継がれている国家戦略です。1122兆円の現預金を投資へ誘導し、企業の成長投資へ回し、その果実が国民に還元される「成長と分配の好循環」を目指すものであり、その起点がNISAです。

NISA口座を介して日本企業の成長や復活を支え、その果実が運用益としてあなたに還元される。

日本を代表する企業の社運を賭けた取り組みをあなたのNISA投資が支える構図です。

オルカンやS&P500といった海外投資もいいけれど、国内企業の成長にダイレクトにつながるこの新しい投資手法も検討してみる価値、ありそうですね。

米村 吉隆 オーシーズパートナー株式会社(OOCZ Partner Inc.)代表取締役

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よねむら よしたか / Yoshitaka Yonemura

元・大和証券株式会社投資銀行部門法人部長。1977年生まれ。立教大学卒。ハーバード・ビジネススクール修了(PLD)。大和証券投資銀行部門にて18年間にわたり上場企業の資金調達やM&A、投資家・株主対応、コーポレートガバナンス改善など企業価値向上施策を支援。主なクライアントは自動車、電機、半導体などのグローバル製造業から、総合商社、ITまで多岐に及ぶ。インベストメント・バンキング・カバレッジ業務を統括する法人部長を務めたのち、2025年に独立しオーシーズパートナーを設立。「企業価値向上の主役は社員」を出発点に、中長期的株価上昇を目指した企業変革の伴走支援を展開する。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。

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