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〈鉄道運賃の仕組み〉古典的メカニズムの「総括原価方式」は限界か?「変革派vs.慎重派」の論点を探る

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民営化前の国鉄運賃は、コストを積み上げて計算する思想(総括原価方式的な考え方)はあったものの、最終的には国会での審議を経て決められた。1987年の分割民営化により、価格決定の基本的な考え方は踏襲されつつ、運賃は国会ではなく「国交相(当時は運輸相)の認可制」に移行した。

大きな転換点は97年だ。この年、単なるコストの積み上げではない「上限認可制」が導入された。国が運賃の上限だけを決め、その範囲内なら鉄道会社が自由に価格を設定してよいというルールが設けられた。これは当時の政府が進めていた規制緩和の流れを受けたものだ。

鉄道運賃の決定方式の変遷

同じ97年には「ヤードスティック方式」も設定された。事業者が申請したコストをそのまま認めるのではなく、同業他社と比較して「効率的かどうか」を判定する仕組みだ。

他社平均より低いコストで運営できれば、その分が企業の利益として残る。逆に、平均より効率が悪い(コストが高い)と判断されれば、その分は運賃に転嫁できず、国にカット(査定)される。鉄道会社に競争原理を導入し、経営の効率化を求めるものだ。

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