「腎臓の数値が悪い」ピンとこない人に伝えたい腎機能の低下を放置が怖いこれだけの"理由" 健康診断で見るべき項目は?

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不眠不休で働く腎臓は、忍耐強く、なかなか声を上げません。限界を超えるまで症状がほとんど表れることがない「沈黙の臓器」なのです。手足にむくみが出たり、疲労感がとれない、貧血や立ちくらみといった体調の変化がサインになることはありますが、かなり悪化するまで自覚症状がない場合がほとんどです。

初期であれば食事療法や投薬治療で機能の低下を遅らせることもできます。しかし、腎機能の低下が進み「腎不全」になると、回復の手立てはありません。気がついたときには打つ手がなく、納得できないままに治療が必要になるという方も少なくないのです。

私のクリニックでは、多くの患者さんが「最近疲れやすくて」「むくみが気になる」といった症状で受診されます。詳しくお話を伺い、検査をしてみると、腎機能に問題が見つかることがあります。

特に働き盛りの方は、仕事を優先するあまり健診を受けなかったり、体調の変化に気づいても「今度時間ができたら」と先延ばしにしてしまうことが多いようです。

腎臓が悪いと全身に倦怠感が出るのですが、疲れのせいだと思い込み、危機感を持たずに生活を続けてしまうのが怖いところです。忙しくて医療機関にかかることなく、病状を悪化させてしまう患者さんは、日本の高度経済成長期に寝る間も惜しんで働いてきた世代に多いように見受けられます。

事の重大さがなかなか伝わらない方には、「このままでは大変なことになりますよ」と思わず声を大にして言うのですが、どう伝えれば危機感を持っていただけるのか、医師としてどのようにサポートすればいいのか、私はいつも自問自答しています。

サインを見逃さないで

腎臓病の初期サインとして、次のような症状があります。

・朝起きたとき、顔や足のむくみがある
・疲れやすさが続く
・尿の泡立ちが多い
・夜中にトイレに起きる回数が増えた
・食欲がない
・貧血や息切れを感じる

これらの症状があっても、「歳のせい」「疲れているだけ」と見過ごしてしまう方が多いのです。

また、健康診断で以下の項目に異常がある場合は要注意です。

・血圧が高い(130/80 mmHg 以上)
・血糖値やHbA1cが高い
・尿たんぱくが陽性
・血中クレアチニン値が高い
・尿素窒素(BUN)が高い
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これらの数値異常は、腎臓からの重要なメッセージかもしれません。ひとつでも当てはまる項目があれば、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

前回ご紹介したAさん、Bさん、Cさんも、最初はこのような軽微な兆候から始まっていました。彼らが幸運だったのは、まだ間に合うタイミングで適切な治療を受け、生活習慣を変えることができたからです。

あなたの腎臓は、今この瞬間も休むことなく働き続けています。その健気な働きに応えるためにも日々の生活習慣を見直し、腎臓を大切にしてあげてください。

鈴木 孝子 南青山内科クリニック院長、医師

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すずき たかこ / Takako Suzuki

1922年に長崎大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院をはじめ、複数の医療機関で腎臓内科医として経験を積む。2000年、東京大学大学院医学系研究科内科学専攻博士課程修了(医学博士)。高島平中央総合病院腎臓内科部長、森山リハビリテーション病院腎臓内科部長、駒込共立クリニック院長を経て、2011年に南青山内科クリニックを開業。慢性腎臓病・慢性腎不全を中心に、早期発見・早期治療の重要性を説き、患者一人ひとりに寄り添った診療を実践している。「患者さんと目を合わせ、気持ちを共有しながら良質な医療を提供する」ことを信念とし、日々の診療にあたっている。著書に『「生涯現役」をかなえる在宅透析』(幻冬舎)がある。

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