「腎臓の数値が悪い」ピンとこない人に伝えたい腎機能の低下を放置が怖いこれだけの"理由" 健康診断で見るべき項目は?
透析が必要になる原因として、以前は慢性糸球体(しきゅうたい)腎炎が多かったのですが、1998年から糖尿病による腎症が最も多くなり、現在では全体の約4割を占めています。
豊かさとともに変化してきた生活スタイル――特に糖質と脂質に偏った食生活、運動不足、ストレスなどが生活習慣病を引き起こし、最終的に透析が必要になる患者さんが増えているのです。
私の患者さんの多くも、こうした道筋をたどり腎臓を悪くしています。しかしその実、「腎臓の数値が悪い」とお伝えしても、ピンとこないという方が多いのが現状です。
腎機能の低下を放置すれば、着実に腎不全へと進行します。そのため、投薬で状態を安定させながら、生活習慣の改善に取り組んでいただけるよう説得するのが、腎臓内科医としての私の日常です。
人にとって腎臓とは
腎臓と聞くと、「尿を作るところ」というイメージを持つ方がいるかもしれません。しかし、胃や腸などと比べると、腎臓の働きについてはよくわからないという方も多いようです。
実際、腎臓は「肝腎要(かんじんかなめ)」といわれるほど、私たちのからだの中で重要な役割を担っている臓器です。ここでは、その多岐にわたる働きについて詳しくお話ししましょう。
私たちの体内では、血液が約1分で全身をめぐり、心臓に戻ることをくり返しています。この血液循環により全身に酸素や栄養が届けられる一方で、体内には老廃物などの不要なものも溜まっていきます。
何しろ1分でひとめぐりしてくるわけですから、そのままにしていたら老廃物はどんどん蓄積してしまいます。この老廃物を処理する役割を担っているのが腎臓です。
腎臓は背中側の腰の上あたりに左右対称に2つあり、それぞれ120~150gほどの握りこぶし大で、ソラマメのような形をしています。小さな臓器ですが、体内を循環する血液の約4分の1が流れ込むといわれており、常にフル稼働しています。
老廃物を含む血液は、腎臓内の「糸球体」というフィルター機能でろ過されます。きれいになった血液は体内に戻り、老廃物や余分な水分は「原尿」として尿の元になります。糸球体は左右の腎臓それぞれに約100万個、合計200万個もあり、これらが協力して血液をろ過しているのです。
糸球体でろ過された原尿は、「尿細管(にょうさいかん)」という管を通り、「腎盂(じんう)」という腎臓の内側に流れ込みます。そこから「尿管(にょうかん)」を通って膀胱に集められ、体外に排出されます。





















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