「生活習慣病のフルコース」60代男性は人工透析を、50代男性はインスリン導入回避できたワケ… 患者たちの"共通点"

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からだの声を聴く習慣
生活習慣病は「静かな病気」と呼ばれます。気がついたときには、もう後戻りできない段階まで進んでしまっていることも少なくありません(写真:tsukat/PIXTA)
健康診断の数値、見て見ぬふりをしていませんか? 疲れやすさ、むくみ、息切れ……小さなサインを見逃していないでしょうか。生活習慣病を放置した先にある、深刻な腎臓病と透析治療の現実――。10万人以上の患者と向き合ってきた腎臓内科医鈴木孝子氏の新著『からだの声を聴く習慣』より一部抜粋し再構成のうえお届けします。

崖っぷちから生還した3人の記録

からだに不安を感じたとしても、「面倒だし、何をどうすればいいのかわからない……」そんな気持ちになることもあるでしょう。途方に暮れて動けなくなってしまうこともあるかもしれません。ですが、そんなときこそ私たち医療者とともに戦略を立て、状況を変えるためのパワーを発揮してほしいのです。

実際に、気持ちを立て直し、自分と向き合いながら、一歩ずつ生活改善に取り組むことで、見違えるような変化を遂げられた方がたくさんいらっしゃいます。

ここでは、特に記憶に残る三人の患者さんをご紹介します。糖尿病のインスリン治療を回避できた70代女性と50代男性、そして腎機能の低下を食い止め、深刻な事態を回避できた60代男性です。

それぞれ状況は異なりますが、共通しているのは「とにかくやってみよう」と気負わず一歩を踏み出したことです。固い決意で「頑張ろう!」と意気込む必要はありません。まずはできることから始めてみる――そんな姿勢が変化のカギなのです。

事例1:インスリン導入で入院のはずが、食事、運動を徹底して、快復へ
小柄で物静かな70代女性・Aさん。
約1カ月の入院の間に基本的な生活習慣について学び、食事、運動、十分な睡眠を徹底。退院時にはHbA1c(過去1、2カ月間の平均的な血糖状態を示す指標)は8.0から正常値の6.2以下まで改善。当初予定していたインスリン治療の導入を見送り、投薬も終了。

Aさんは、私がクリニックを開院する前に勤務していた総合病院で担当した患者さんです。糖尿病で投薬治療を続けていたものの効果が認められず、インスリン治療を導入するために入院となりました。

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