そうしてスタッフがゴミを掘り起こしていると、両方の和室から茶色に変色した布団が一組ずつ出てきた。湿気と汚れでもはやゴミと一体化している。
「こういう場合、ただ『だらしない』というわけではなく、何か精神的な問題を抱えていたのだと思います。生ゴミがこれだけ散乱した状態で生活を続けるのは、やはり心が正常な状態ではなかったんでしょう」
ゴミの上には座椅子が1つ無造作に置かれていた。おそらく、この座椅子だけが唯一くつろげるスペースだったのだろう。しかし、座椅子に座っても足元はゴミに埋もれている。
引っ越しは「断捨離」をする絶好の機会
部屋の一角には、引っ越し業者のロゴが入った段ボールが20個近く積み上がっていた。中を確認すると、衣服や靴が詰め込まれている一方で、ゴミ箱代わりに使われているものもある。
「前の家からここに引っ越してくる際にも、片付けが間に合わなかったんでしょう。とりあえず必要“そう”なものを段ボールに押し込んで持ってきたものの、新居でそれを整理することができなかった。数個は開封して空にしたけれど、段ボールを畳むこともできず、それがゴミ箱になってしまったのかと」
本来、引っ越しは「断捨離」をする絶好の機会だ。
「僕らが勧めているのは、引っ越し先ではモノは足りないくらいがちょうどいいという考え方です。そうしないと新居でしんどくなる。引っ越しで一番大変なのは、荷解きなんです」
多くの人は「引っ越すこと」をゴールだと考えてしまうが、本来のゴールは「新居で生活を整えること」だ。その認識がズレていると、いつになっても部屋は荒れたままになってしまう。
その点、今回の依頼者はゴミや不用品だけではなく家具や家電のほとんどを処分し、新居で買い替える道を選んだ。




















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