「きっと、すべて“食べ切っていた”からだと思うんです。床にはペットボトルや空き缶も大量に捨てられていましたが、中身は残っていませんでした。ゴミを毎回小さな袋に入れて、1つひとつ結んでいたことも大きな理由でしょう。しかし、今回のゴミ屋敷では、カップラーメンの食べ残しすら袋に入っていませんでした。床もこぼれた汁でベチャベチャになっていました」(二見氏、以下同)
また、湿気もゴキブリを呼び寄せてしまう。今回の物件は浴室に窓がなく、室内全体に湿気がこもったようなじっとりとした空気が漂っていた。
「完全に駆逐できるわけではないですが、部屋の気温を下げることは有効です。窓を開けて換気扇を回し、湿気を抑えて部屋を冷たく保つ。それだけで卵が孵化しにくくなり、ゴキブリの動きも遅くなります。荷物を整理して風通しをよくするだけでもゴキブリの数は目に見えて減るはずです」
ゴミの山で踏み固められた「地層」
部屋に残っているゴミやモノは全処分となる。まずは襖をすべて外し、空間をつなげることで運び出しや仕分けの動線を確保する。スタッフたちが次々にゴミを袋に詰めていく中、二見氏は手を止めて部屋全体を見渡した。
「月に何百件とゴミ屋敷を回っていると、部屋を見ただけで住人の方がどんな生活をしていたのかわかってくるんです。きっとこの方は着替えだったり、趣味のグッズだったり、リビングにいろいろモノを置いていました。その後、だんだんとゴミが増えて寝室にまで浸食するようになり、もう1つの和室に避難したんだと思います」
初めに寝室として使っていた和室は、汚部屋歴が長いぶん、ゴミが足で踏み固められてカチカチになっていた。掘り起こそうとすると、プラスチックや紙が混ざり合い、1つの塊となって剥がれるほどだ。




















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