「ベースアップは常識」の裏側 最新賃上げ調査で判明した、構造的賃上げに取り残される"規模と業種"の境界線
次いで、機械等修理業が71.4%で続く。製造業やインフラなどの安定稼働を支える機械等修理業では、高度な技術力が求められる一方で、技能者不足が顕在化しており、人材確保競争が激しい。企業の設備投資拡大や老朽設備更新需要の増加を背景に高いニーズが続き、専門性の高い技術者の確保・定着を目的としたベースアップが進んでいるとみられる。
バス・タクシーなどを含む道路旅客運送業も68.7%と高水準だ。コロナ禍で大きく落ち込んだ後の需要回復が進む一方で、運転手不足は深刻さが増している。労働環境や待遇改善が不可欠で人材確保のための賃金引き上げが急務となっており、それが高い実施率に反映されていると考えられる。
全体として、2026年度は運輸業や製造業で高い実施率が目立つ構図となっている。業績好調で賃上げ原資が豊富な業種のほか、労働集約型であったり、専門人材への依存度が高く、人材獲得競争が激しい業種などで実施率が高い。
2023年度以降は3%以上の賃上げ率が定着
2020年度からアンケートを開始した賃上げ率の推移をみると、コロナ禍の2020年度から2022年度までは、業績の低迷から1~2%台の低い賃上げ率が中心だった。
しかし2023年度になると構造が大きく変化する。「3%台」が27.7%へ急増し、「5%台」も20.2%まで上昇した。2024年度以降も3~5%台のレンジの合算が6割を超え、賃上げ率3%以上へ構成比のボリュームゾーンが明確にシフトしている。
一方、2026年度(見込み)では最大レンジが「5%台」から再び「3%台」(32.5%)へと移っている点に注意が必要である。




















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