「ベースアップは常識」の裏側 最新賃上げ調査で判明した、構造的賃上げに取り残される"規模と業種"の境界線

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「6%以上」の構成比をみると、2026年度(見込み)は7.3%で、2025年度の実績値15.0%からおよそ半減した。見込みの段階であるが、2026年度は賃上げ水準の上昇が落ち着く兆しも見られる。

2026年度の賃上げは、実施率(見込み)83.6%と5年連続で80%台を維持し、企業の賃上げ姿勢は定着している。

ベースアップ率に着目すると、2024年度に51.4%と、初めて過半に達した。直近でもコロナ禍前の30%台を大きく上回る水準を維持しており、賃金水準の底上げが構造的に進んでいることがうかがえる。

原材料費や人件費の負担が重しに

経団連(日本経済団体連合会)は、2026年版「経営労働政策特別委員会報告」でベースアップを賃金交渉のスタンダードに位置付け、積極的な検討および実行を呼びかけている。賃金上昇の定着に必要なものとして、「適正な価格転嫁」と「販売価格アップの受け入れ」の2点を挙げる。

2026年度のベースアップ実施率(見込み)は46.8%と高水準ではあるが、ピークとなった2024年度の51.4%から2年連続で低下する見込みだ。賃上げ率の最多レンジも「5%台」から「3%台」へと重心が下がったことに加え、「6%以上」の構成比も前年度から大きく低下した。

背景には、原材料費やエネルギーコストの高止まり、価格転嫁の難しさ、そして固定費として積み上がる人件費への負担感がある。賃上げを実施する姿勢は継続して強いものの、伸び率のピークアウトの可能性や企業間の格差にも目を向ける必要がある。

今後は、賃上げが“量”だけでなく“持続力”につながるように、価格転嫁の定着や取引慣行の見直しなど、企業努力を下支えする環境整備がさらに重要になっている。

平島 由貴 東京商工リサーチ 情報本部経済研究室

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ひらしま・ゆき / Yuki Hirashima

2022年、東京商工リサーチ入社。経済・企業データ分析や倒産企業のデータベース管理などを担当。

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