「ベースアップは常識」の裏側 最新賃上げ調査で判明した、構造的賃上げに取り残される"規模と業種"の境界線

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ベースアップ実施率「産業・業種別」

2026年度の実施率が最も高かった産業は、運輸業(56.7%)で、2024年度以降、3年連続でベースアップ実施率のトップを走っている。深刻な人手不足が続く運輸業では、政府の取り組みや荷主側への是正指導の強化で、価格転嫁が徐々に進んでいる。

次いで、製造業が50.6%、金融・保険業が50.0%と続き、3産業で実施率が5割を超えた。建設業(49.4%)もほぼ5割に達しており、業績好調な産業だけでなく、人手不足が深刻な産業でも高水準となっている。

金融・保険業は、コロナ禍以前はベースアップ実施率が最も低い水準で推移していたが、2023年以降実施率が大きく上昇し、50%台に達した。

一方、2026年度のベースアップ実施率(見込み)が最も低かったのは不動産業の34.8%で、10産業で唯一、3割台にとどまった。業績変動が小さく社員数も少ない賃貸・管理業者などが多いことや、成果報酬等で対応する企業が多いことが影響していると考えられる。

細分化した業種別で見ると…

さらに産業を細分化した業種別(回答分母10以上)で、ベースアップ実施見込みの構成比が最大だったのは、水運業で72.7%にも達した。

2025年度の春闘でも好業績が続く海運大手のベースアップ率の高さが話題になったが、今年度も引き続きベースアップを実施する意向の企業が多く、賃上げ水準の引き上げ幅に注目したい。

東京商工リサーチ調べ
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