非正規・貯金なしの30代独身女性が3200万円の「23区2LDK」を買うまで。"社会的信用が無い"というハンデ乗り越え35年ローンにかけた覚悟

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「担当者さんによると、メガバンクでローンを組めるのは正社員のみ。そのほか、契約社員はOKだけど派遣社員はダメという金融機関もあれば、非正規でも3年以上の勤務経験があればいい、年収いくら以上あればOKというところもあるそうです。

しかも、その基準はコロコロ変わるんです。私の場合も、先月までOKだった銀行が、今月からは派遣社員では審査が通らなくなった、というケースもありました。そういう情報を、担当者が把握して先回りして教えてくれたので、無駄足を踏まなくて済みました」

住宅取得支援の税制特例「贈与税の非課税」を活用

はるなさんは10軒の物件を内見し、2カ月で購入にこぎつけた。築30年以内の2LDK、ペット可で仲介手数料などの諸経費を含むと、合計額3200万円。オートロックではないが管理人常駐、中層階の中部屋を選び、防犯にはこだわった。駅から徒歩15分と距離はあるが、4つの駅が利用できる立地にも満足している。

住宅ローンは年利0.35%の変動金利の35年ローン。共益費や修繕積立金込みで月10万円前後に収まった。しかし――。

「フルローンでの借り入れは難しく、自己資金を用意する必要がありました」

はるなさんは、住宅取得を支援する税制の特例を活用し、親から頭金の援助を受けた。

不動産価格が高騰する現在、若年層が自己資金だけで住宅を取得するハードルは決して低くない。担当者からも、「家族の支援を受けながら住宅を取得するケースは珍しくありません。制度としても想定されている選択肢です」と説明を受けたという。

実際、住宅取得を後押しする制度のひとつに、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税措置」がある。一定の要件を満たせば、親や祖父母などからの住宅取得資金について、贈与税が非課税となる特例だ。こうした制度は、不動産価格の上昇や世代間の資産格差を背景に整備・延長が重ねられてきた。

もともとは時限的な措置だったが、改正と延長を経て、現在は2026年12月31日まで適用されることが決まっている。

こうして、はるなさんは自分の城を手に入れた。引っ越しを済ませ、念願の猫との暮らしが始まったのだ。

次ページ家を選ぶときに考えたい「出口戦略」
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事