一方でロシア軍にとって、計算違いの事態も起きた。例年以上の寒波が到来したウクライナ各地でエネルギー施設を狙った大規模なドローン・ミサイル攻撃が結局、期待していた効果をあげられなかったのだ。
大規模な停電の長期化を引き起こすことで、電気による地域暖房に頼るウクライナ住民を凍え上がらせて、降伏やむなしとの世論を広げることを狙った。しかし、結局、我慢強いウクライナ国民の抗戦意識を挫くことができなかった。
一方で、ウクライナ側には膠着状態を打破しようと、従来の戦略からの脱却を進める動きが出てきた。その象徴的動きが、IT業界出身でウクライナ軍ドローン部隊の生みの親である35歳のミハイロ・フェドロフを国防相に起用したことだ。
ロシア軍は衛星通信を使えず、補充兵も不足
フェドロフは米宇宙企業スペースX社の衛星通信サービス「スターリンク」をロシア軍が無許可で使っていることを受け、早速、友人である同社トップのイーロン・マスクに依頼して、ロシア軍の無許可使用を停止させた。
ロシア軍がスターリンクを使えなくなり、部隊間の連絡に支障が出たことを受け、ウクライナ軍は早速、局地的ながら反攻作戦を始め、占領地の奪還を進めている。
これに対し、ロシアでは、キーウ側にとって不気味な動きが出ている。プーチン政権が何らかの形で軍への大規模な第2次動員を行うのではないかとの見方が出ているのだ。この背景には、ロシア軍で戦死傷者数が急増したため、契約兵として入隊してくる補充兵では戦死傷者の穴を埋められない事態が起きていることがある。
ロシアでは、22年秋に約30万人を対象として、「部分動員」が実施された。しかし、動員を忌避する多数の出国ラッシュを招いたため、現在は多額の金銭的報酬を与える契約兵による補充が主になっていた。
だが、その契約兵の希望者も減り始めたため、兵力不足を補うために新たな動員をかけるとの観測が広がっているわけだ。動員の規模にもよるが、大規模になれば、ウクライナにとっては懸念材料にもなりうる。




















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