東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #ウクライナ侵攻、危機の本質

独ソ戦を超える5年目に突入したウクライナ戦争の今/領土拡大で「皇帝の地位」を欲するプーチンの大誤算、トランプと欧州の疑心暗鬼も深刻化

7分で読める
  • 吉田 成之 新聞通信調査会理事、共同通信ロシア・東欧ファイル編集長
2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

原油価格下落などによる財政難にあえぎ始めたロシア経済だが、非軍事部門の歳出削減などで26年中は侵攻を続行できるとの見方が経済専門家の間では有力だ。

ロシアの脅威に対し、一段と軍事的対抗の動きを強める欧州はどうか。

トランプはNATOの集団防衛義務をはたすのか?

欧州ではウクライナ停戦が実現した場合、軍事力に余裕ができるロシアがバルトなどに侵攻してくる可能性があることへの警戒が強まっている。ロシアの欧州侵攻に対し、トランプ政権がNATO条約第5条(集団防衛)に基づく防衛義務をはたさないのではないか、との疑念が背景にある。

つまり、仮に停戦合意ができても、それはロシアによる欧州侵攻までの「戦間期」にすぎないとの危機感である。

こうした新たな軍事的脅威に対し、欧州では、NATO軍とは別の欧州軍創設を目指す動きが出てきた。特に顕著なのはドイツだ。侵攻を機に「軍事力行使の抑制」という戦後の伝統的平和主義を完全に脱ぎ捨てた。国防費増額のために憲法改正を行う一方、核保有国であるフランスとの間では核共有化に向けた秘密交渉を始めたことが明らかになっている。

アメリカの「核の傘」への信頼感が揺らいでいるのだ。これに対し、プーチン政権も欧州に対して、ウクライナの背後にいる主敵との認識を示している。75年のヘルシンキ宣言で始まった東西欧州融和の動きは、ロシアのウクライナ侵攻で完全に崩壊状態に至ったと言える。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象