中国で大容量1万mAh級スマホ続々登場。バッテリーが「最強の差別化」になるも日本には来れない壁

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バッテリーだけではなくスマートフォン本体内部のベイパーチャンバーやヒートパイプなど冷却機構を強化し、バッテリーやチップセットから発生する熱を効率よく逃がす設計も一般的になってきた。本体フレームをより強固にするなど、スマートフォンの耐久性も高められている。

そのうえで量産前には落下・振動・加熱・強制短絡といった各種信頼性試験を行い、規格をクリアしたバッテリーのみが製品に採用される。従来より容量が増えた分、保護設計や品質基準もいっそう厳しくなっているのである。

先進国投入の壁と日本との距離感

それではこのような超大容量バッテリーを搭載するスマホが日本でも普通に販売されるようになるのだろうか? おそらく短期的には中国やインドなど新興国で採用が進む一方で、先進国では慎重な姿勢が続きそうだ。

最大のハードルは、各国の輸送規制である。例えばアメリカの規制では、バッテリー内部の「単一セル」が20Whを超えると危険物扱いとなり、輸送コストが大きく跳ね上がる。20Whはおおよそ5000mAhに相当し、多くのスマートフォンが5000mAh前後に留まっている背景の一つは、この輸送コストの問題だと指摘されている。

またスマートフォンの嗜好という点でも、先進国向け製品はフラッグシップモデルであっても「より薄く、より軽く」という方向性が根強い。実際、商業的な成功には至らなかったものの、アップルやサムスンは極薄スマホに挑戦してきた経緯があり、バッテリー容量を増やすよりも、省電力設計やソフトウェア最適化で持ち時間を伸ばす方向に重きを置く傾向が続いている。

薄型スマートフォン
先進国ではバッテリーより本体の薄型化が好まれるか(筆者撮影)
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