中国で大容量1万mAh級スマホ続々登場。バッテリーが「最強の差別化」になるも日本には来れない壁

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2つ目は、バッテリー技術そのものの進歩である。シリコンカーボン系バッテリーの商用化が急速に進んだことで、エネルギー密度の向上や劣化制御のノウハウが蓄積され、同じサイズのバッテリーパックに、より大きな容量を詰め込めるようになった。

3つ目は、中国市場特有の競争環境だ。中国では大都市部を中心にスマートフォンの普及率が頭打ちとなり、新規ユーザーよりも買い替え需要が中心になっている。一方で、ディスプレイやカメラ、チップセットといった部品はどのメーカーも似通っており、「性能も価格もほぼ横並び」のモデルが乱立しているのが実情だ。

そこで、わかりやすい差別化要素としてバッテリーの大容量化が注目されている。その結果、バッテリー容量の大きさは、スマートフォンを選ぶ際の重要な判断材料になりつつある。

容量2倍で安全性は大丈夫か

ここで多くの人が気にするのは「そんなに大容量で本当に安全なのか?」という点だろう。

スマートフォンもモバイルバッテリーも、基本的には同じリチウムイオン電池を使っている。リチウムイオン電池は、強い衝撃や外装の破損、繰り返される過充電などが重なると内部で短絡を起こし、最悪の場合は発火・爆発に至ることがある。容量が増えれば、万一トラブルが起きた際に放出されるエネルギーも増えるのは間違いない。

そのためスマートフォンメーカーは、内蔵バッテリーに対して多層的な保護を施している。

バッテリー内部には複数の温度センサーを配置し、温度を常時監視することで、異常な発熱を検知した場合は即座に充電や出力を制限する。さらにBMS(バッテリーマネジメントシステム)によって電圧・電流・残量を細かく制御し、過充電や高負荷状態を避ける仕組みを組み込んでいる。

HONOR WINはバッテリー管理専用チップ「E2」を搭載
HONOR WINはバッテリー管理専用チップ「E2」を搭載(HONORのWEBページから)

またバッテリー内部構造や電解液の配合を工夫し、内部短絡が起きにくい構造にすると同時に、万が一短絡しても熱暴走に至りにくいよう設計する取り組みも進んでいる。バッテリーメーカーにとって発火事故は、企業の信頼や事業継続を根本から揺るがしかねない重大なリスクであり、この分野の安全性向上には各社が徹底した開発投資を行っている。

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