スタートアップM&Aで世界トップを実現する経営とは 半導体再生ウェーハのRSテクノロジーズ社のM&Aを専門家が読み解く

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方氏が新設したRSテクノロジーズが事業を引き継ぐことで、日本に優良な半導体事業が残ることになった。

2010年当時、日本では半導体事業から撤退する企業が相次ぎ、またリーマンショックの後で市況もどん底の状況だった。

タイミングが成功の鍵

2011年、ラサ工業で再生ウェーハ事業に従事していた256名の従業員のうち53名と、4億円で譲り受けた設備がRSテクノロジーズに移り、地元宮城県の支援も得て、事業を始めることになった。

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ラサ工業の譲渡条件は3年間、三本木工場で事業を継続することだった。

長い歴史のあるラサ工業が撤退した事業を、製造業の経験がないRSテクノロジーズが立て直すことができるのか、周りでは懐疑的な評価が多かったという。無理もない話だ。

しかし、この再生モデルのスタートアップM&Aは、大企業や投資家には魅力に乏しいと映るタイミングで投資することが成功の鍵となる。

RSテクノロジーズは、事業を引き継ぐかたちで創業した直後に東日本大震災に見舞われ、赤字でのスタートとなった。

工場の操業が止まり、売上高はゼロ、経営が厳しくなるなか、資金を注入し続けた。

そして、ラサ工業時代の顧客に再生ウェーハの取引継続を求めながら生産を再開、2012年7月にようやく単月黒字を実現し、その後、販売を伸ばしていくことになる。

社長の方氏はRSテクノロジーズを創業した後に、自ら台湾のTSMCに再生ウェーハの売り込みに行った。そしてTSMCからは、3週間というリードタイムは長い、2週間で納入できるなら注文すると言われたそうだ。

半導体ファウンドリーから使用済みのウェーハを引き取り、再生して納入するまでの期間短縮である。

ラサ工業の再生ウェーハは品質が良いが、リードタイムが長く、値段も割高だった。

TSMCから良い商談を持ち帰ったと考えた方氏は、すぐに三本木工場に行って納期を短縮すれば大口の取引ができることを従業員に伝えた。しかし、製造現場の面々からは、2週間での納品などできるわけがないと、散々に言われたという。

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