50年学生を見てきた寮母が気にかける「最近の親子と若者」の変化。だからこそ貴重な「食事付き35人の共同生活」
だが寮に住めば食事面など生活の基盤が整う分、勉強に専念でき、快適さが生まれる。それは、荒れ果てた生活を立て直し、精神的な安定を取り戻すための重要な一歩となるはずだ。
社会に出て、身の回りのことを自分でしていくための準備期間として、食と生活環境をサポートする学生寮に入ることは、大きなメリットがあるのかもしれない。なかでも京都学生グリーンハイツには、関わるスタッフの存在が学生たちの心身を健やかにしているように感じた。
たしかに、学生にとって、一人暮らしは魅力的だろう。京都学生グリーンハイツは広さはあれど、設備は古く、大学に隣接しているわけでもない。それでもここの暮らしを選ぶのはなぜだろうか?
それは、「35人の疑似家族」という環境そのものかもしれない。ここで暮らすことで、一人暮らしでは得難い交流が生まれているからだ。
「ここで暮らすようになると、いろんな大学の人との交流があるでしょう。そこで仲良くなった人同士で食事に行ったり、友達を呼んだりして。そういうことができるから、『ここで暮らす方がいい』って言う子が多いですね」
誰でも必ず成長する
学生たちの間では、自主的に作った寮のルールノートを作っており、新しく入居する者に引き継がれているという。そのなかには「スタッフさんには挨拶しましょう」「食べた後は、トレイをキッチンに持って行って、挨拶しよう」などと書かれてあるそうだ。
人見知りがちな学生も、それを実践している先輩の寮生を見て、いつしか挨拶をするようになる。
「1年経てば、誰でも必ず成長します。喋らなかった子が喋るようになり、返事をしなかった子が返してくるようになる。たくましい大人の顔になっていくんです。私はね、それが本当に嬉しいんです」(勝子さん)
取材の途中、沖縄市出身の学生が久しぶりに寮に戻ってきた。




















無料会員登録はこちら
ログインはこちら