50年学生を見てきた寮母が気にかける「最近の親子と若者」の変化。だからこそ貴重な「食事付き35人の共同生活」
台湾に留学していた彼は、再び京都の大学に通うという。勝子さん曰く、新入生の頃は線が細く、体調も悪そうに見えたそうだ。けれど、目の前にいるのはたくましい顔つきをした青年だ。
勝子さんはその姿を見て目を細める。
「あんなに大きなキャリーケースを持ってね。本当に大人になった。子どもが大人に変わる時期を、一番近くで見守れる。これが、寮母という仕事の醍醐味です」
学生時代を大切にして
入居している7名の学生たちが卒業を控えていて、まもなく退去予定だ。「寂しいですね」と勝子さんは俯く。
「学生が出ていく時は正直、つらいです。お別れの挨拶をしたら、あまり見送りはしません。顔を見たらつらいから、黙って行ってほしいと思っちゃう。新入生が入ってきたら、気持ちも上向くんだけどね。その繰り返しです。また1年が始まって、さぁさぁ!ってね」
時折、寮を離れた学生が尋ねてくることがあるという。その時の写真を見せてくれながら、勝子さんは「この子も、立派にならはったわ」と嬉しそうに笑った。
人は戻りたくても、過去には戻れない。大人になるための大切な時間をどうか大切にしてほしい――。寮母・勝子さんは、切実にそう願っている。
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