50年学生を見てきた寮母が気にかける「最近の親子と若者」の変化。だからこそ貴重な「食事付き35人の共同生活」
「昔からいたのかもしれないけれど、最近は親御さん自身が『うちの子は発達障害がある』と言って入居されることも増えました」(勝子さん)
そういった学生は本人に悪気はなくとも、シャワーの時間や食事の締め切り時間など寮のルールを守ることが難しい。だが、勝子さんらは辛抱強く、寮生活がスムーズに送れるよう“寄り添う姿勢”を貫いている。
食生活に現れる心のサイン
勝子さんによれば、学生の心の乱れは、食生活に如実に表れるという。
例えば、朝夕の食事を残さずに食べる学生と、残しがちで食べ方に難がある学生がいる。決して残してはならないというわけではないが、何も言わずに食べ物が残った皿を突き返されたら、作った人にしてみれば悲しいだろう。
「食べ方とか生活の仕方って、生き方やからね。それが人生で続いていくわけやね。その子が大人になる段階の生活って、すごく大事。いつか家庭を持ったら、その連鎖は続いちゃうと思います」(勝子さん)
メンタルに不調をきたし始めた学生は、まず、ご飯が不規則になる。予約していた食事のキャンセル連絡もなく食堂に来ない日が続いてしまう。
食卓に顔を出さなくなった学生は、多くの場合、自室に引きこもるか、アルバイトに夢中になっているかだという。物価高の影響やお金を費やす機会が増えているのか、学業を疎かにしてバイトにのめり込む傾向は、近年の学生に多いと感じている。
学生に対してさまざまな思いはあるが、勝子さんは改善を促そうとはしない。できることは、相談を受けたらじっと話を聞くこと。そして、美味しい料理と整った環境を提供し続けることだ。




















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