50年学生を見てきた寮母が気にかける「最近の親子と若者」の変化。だからこそ貴重な「食事付き35人の共同生活」
子どもの欠点を言葉にする親ほど、頻繁に「うちの子、朝ちゃんと起きて学校に行っていますか?」と連絡をしてくるそうだ。
勝子さんは「本人に聞けばいいのに」と思うのだが、「聞いても返事がないから寮に電話をかけてくるのだろう」と思い、対応するという。
また、ある学生は、朝夕の食事には現れるものの、大学には行けていなかった。その事実を知った親が怒鳴り声を上げて寮に乗り込んできて、「(中国地方の)自宅から通わせます」とその場で学生を連れて帰ったこともあった。
別のケースでは、女子学生の親が寮の部屋に泊まり込み、夕方から夜中の12時まで、さらに翌朝も続けて数時間にわたり子どもを説教し続けた。
「子どもは親に遠慮して、なかなか言い返さないんです。何時間もしゃべり続ける親に対し、じっと耐えている。その忍耐力を想像すると、本当に不憫になります」と勝子さん。
親は自分の思い通りにならない子どもを信用できず、子どもは親からの叱責をやり過ごすために嘘をつく――。この親子関係のすれ違いが、少なからず学生たちのメンタルに影響しているのではないかと、勝子さんは指摘する。
人間関係の悩みと増え続ける発達障害
大学生活での人間関係がストレスになっている事例もあるという。
ある学生は大学で課外活動に打ち込み、明るい青年だった。だが、精神的に不安定なパートナーと付き合い始めたことがきっかけで自身の生活リズムを崩し、電話に出ることすら怖がる状態に陥ってしまった。
勝子さんやスタッフは、食堂で学生から恋愛相談を受けることもあるが、「その付き合い方はどうなの?」と思うことは少なくないという。
こうした人間関係の悩みやメンタルヘルスの問題と並行して、勝子さんが近年特に感じている変化がある。それは、発達障害を認知している学生の増加だ。




















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