行列のラーメン屋《ベトナム人店主》の意外な経歴 「業界の大物と兄弟同然の関係」「仕事前にうどん屋で修業」…来日13年、ハさんの"ラーメン道"

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「私、仕事で困ったこと、あんまりない。1回見れば、だいたいできるよ」

天才とも評される「麺処ほん田」の店主、本田裕樹さんも、ハさんの姿勢と腕を高く評価したに違いない。アルバイトを始めて間もなく、こう声をかけてくれたという。

「そんなにいっぱいアルバイトしてたら、大変でしょう。ここなら毎日仕事に入ってもいいよ。日本のラーメンは世界で知られているし、お金持ちじゃなくても食べられるから、料理好きだったら、ラーメン屋はいいよ」

この言葉をきっかけに、ハさんはほかのアルバイトを辞めて、「麺処ほん田」で毎日のように働くようになった。

ハさんは「仕事に厳しい人が好き」だという。それは、真剣に向き合っていることの証しだから。本田さんも厨房では厳しかったが、ハさんは「勉強したいから、私やります」と貪欲にラーメン作りを学んでいった。

気づけば、本田さんをはじめ職場の皆から「ハーちゃん」と呼ばれるようになっていた。

ハさん
ラーメンと向き合うまなざしは、どこまでも真剣だ(写真:筆者撮影)

豚骨魚介系、二郎系…食べ歩きで無類のラーメン好きに

本田さんはラーメン好きでもあり、研究熱心でもあった。仕事が終わってから、あるいはお店が休みの日、ラーメンを食べ歩いていたのだ。ハさんも誘われて同行しているうちにどんどんラーメンが好きになり、休日にひとりでラーメン店を巡るようになった。

「本田さんが、あれ食べてみて、ここがいいよって教えてくれるんです。煮干し系、豚骨魚介系、二郎系、たくさん行きました。私はベトナム人だけど、日本の有名なラーメンはだいたいぜんぶ食べたと思いますよ。勉強と言ってラーメン食べるの、楽しいね」

ラーメンが好きになるにつれて本田さんやほかのスタッフとの距離もどんどん縮まって、プライベートの時間も一緒に過ごすようになった。スタッフたちと車で3、4時間かけて福島や栃木まで行って、ラーメンを1杯だけ食べて帰ってきたこともあるという。そのうち、「ハーちゃんはベトナム人だけど、中身は日本人」とまで言われるようになった。

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