「約120万kl→約68万kl」しょうゆの国内消費激減で苦戦かと思いきや…キッコーマンが懐に忍ばせる需要確保の"切り札"
キッコーマンの工場見学施設は、上述した野田工場のほか、北海道・千歳、兵庫・高砂にも設けられている。
筆者はいずれも実際に足を運んだことがあるが、しょうゆづくりの要となる「もろみ」の色や香りの変化を体感できるほか、迫力のある圧搾工程を見学できるなど、幅広い世代が楽しめる内容となっている。
ちなみに個人的に最も好みなのは、充填ラインまで見学できる北海道千歳市にある北海道キッコーマンである。
近年は、海外からの来場者も増加しており、アジア圏に限らず、欧米からの訪問も目立つという。海外向けの専用予約サイトも用意されており、インバウンド対応にも力を入れていることがうかがえる。
国内市場縮小をグローバル展開へのチャンスに
今後、国内しょうゆ市場は人口減少や食の多様化を背景に、さらなる縮小が見込まれる。(しょうゆ情報センターによると、国内のしょうゆ出荷数量は1990年前後には約120万kl規模だったが、2024年には約68万klまで減少している)
一方で、健康志向や用途の多様化に対応した商品には、一定の需要が残る可能性もある。キッコーマンは、こうした環境を新たな価値創出の機会と捉え、味の嗜好やライフスタイル、健康意識の変化に応じた商品開発を進めている。
また同社は、「グローバルビジョン2030」を成長戦略の柱に位置づけ、しょうゆをグローバル・スタンダードの調味料へと押し上げる構えだ。商品・技術の面では、減塩・低塩・機能性表示食品など健康価値の高い商品群をさらに拡充するとともに、発酵・醸造技術を核に新たなカテゴリーの開発にも取り組んでいくという。
「日本で培ったしょうゆや発酵の知見をベースに、北米・欧州・アジアなど各地域の食文化と掛け合わせ、『オールパーパス・シーズニング(万能調味料)』としてKikkoman Soy Sauce の価値を広げていくことを目指しています。その中で、病院食からはじまった減塩しょうゆも、世界各地の食卓で『おいしさ』と『健康』を両立する選択肢として、さらに存在感を高めていきたいと考えています」
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