ポリコレ疲れが追い風に? 批判浴びる「嵐が丘」の白人起用が、興行的に正解だった理由
『嵐が丘』に出演するマーゴット・ロビー(左)とジェイコブ・エロルディ(右)(写真:REX/アフロ)
名作小説『嵐が丘』が新たに映画化され、アメリカを含む世界各国で大ヒットデビューを果たした。マーゴット・ロビーがキャシー・アーンショウを演じるこのバージョンは、原作の後半をすっぱりと捨てていたり、重要なキャラクターであるヒンドリー(キャシーの兄)がまるで登場しなかったりなど、「原作に忠実」と呼ぶにはほど遠い。
しかし、いかにも『プロミシング・ヤング・ウーマン』、『Saltburn』を手がけたエメラルド・フェネル監督らしく、セクシュアルさが前面に押し出され、数ある過去作とは明らかに違う個性がある。受け止められ方は賛否両論、批評家の間でもさまざまだ。
「浅黒い肌」の役を白人が演じた
だが、この映画は、作品自体への評価と別のところでも論議を呼んでいる。キャシーの熱愛のお相手ヒースクリフを、白人俳優ジェイコブ・エロルディが演じていることだ。
ヒースクリフはキャシーの父がリバプールで見つけ、家に連れ帰った少年。原作で、人種については明確にされないものの、しばしば「浅黒い肌」、「ロマ」、「美しい英語を話せない」、「ラスカー」(17世紀から20世紀前半にかけ、ヨーロッパの船で働いた東南アジアあるいは中東の人々)などと描写される。
彼の出生は謎に包まれ、「お父さんは中国の皇帝、お母さんはインドの女王だったりするかもしれない」などという会話も出てくる。実際、1939年の映画では、金持ちになって戻ってきたヒースクリフ本人がそう語る(ただし、このバージョンでヒースクリフを演じるのはローレンス・オリヴィエ、つまり白人だ。そのことについては後述する)。




















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