ですから、80代を過ぎたなら、もう誰しも腎不全や透析を覚悟しておくほうがいいのかもしれません。腎臓の老化は、その人の気持ちや体の衰えの状態よりも一歩先に進んでいるもの。体はわりと元気だったとしても、腎臓だけはすでに「終末期」に突入しているというくらいに考えておくべきでしょう。
透析でも「いつも通り」に近い生活を送れる
しかし、たとえ医師から腎不全や透析導入を言い渡されたとしても、そこで人生が終わったかのように悲嘆に暮れることはありません。
なぜなら、近年は透析に移行しても、透析前とたいして変わらない「いつも通りの生活」を送れるようになってきているからです。
先にも述べましたが、いまは腎臓リハビリを導入する透析機関も増えて、人工透析(血液透析や腹膜透析)を受けている患者さんのQOLは飛躍的に向上するようになってきています。
70代、80代で透析が必要になっても仕事を続けている人もいますし、趣味や習い事に打ち込んでいる人もたくさんいます。とても多くの方々が、透析移行をひとつの「通過点」と捉え、透析しながら送る毎日を「第二の人生のスタート」のように位置づけて、前向きに人生を送ってらっしゃるのです。
もちろん、「認知症になったら透析生活を続けられるのか」とか「足腰が衰えて透析に通えなくなったらどうなるんだ」とか、高齢者ならではの不安要素もあるのは事実です。
でも、少なくとも、「ひと昔前の人工透析」と「いま行われている(腎臓リハビリを導入した)人工透析」とでは、まったく別物というくらいに性質が変わってきているということは、頭に入れておいたほうがいいでしょう。
とにかく、人工透析できれいな血液を全身に回せるようになれば、たとえ腎臓の寿命が尽きたとしても、その先の人生へコマを進めて「いつも通りの生活」を営んでいくことができるのです。別に人工透析を勧めているわけではありませんが、こういう道が整備されてきたことにより、人生の最終盤を生きるうえでの選択肢が増えたのは間違いないと言えるでしょう。




















無料会員登録はこちら
ログインはこちら