日本の食料事情改善だけが論点ではない、個人の生存戦略としての「農業」に可能性はあるか? 「農業で稼ぐ」夢と現実

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イチジクのイメージ
これから農業を始める際の注意点や「向いている人」「穴場の都道府県」について、リアルな事情をまじえてお伝えします(写真:株式会社デザインメイト/PIXTA)
日本の食料自給率の低さは何十年も前から問題視されてきた。農村地帯の過疎化、農家の後継者不足も叫ばれているが、このほど農業を「日本の食料事情改善」「地方再生」という観点でなく、個人の「自分らしい生き方」「資産形成法」として論じる書籍が刊行された。
農業は最強の資産形成である』の著者・田中康晃氏は、農業とも農家とも縁のないサラリーマンだったが、13年ほど前に神戸市で兼業農家となり、現在、農業の売り上げは年1000万円を超える。
では今、この時代に就農するメリットは何か。
農業に「向いている人」「向いていない人」、就農を「今すぐ目指してもいい人」「当面は絶対にやめたほうがいい人」の違いとは?
東京で20年にわたり就農希望者をサポートしてきたなかで、新規就農の夢と現実を間近で見てきた「東京NEO-FARMERS!」発起人・松澤龍人氏に聞いた。

農業は現代の「生存戦略」になりうるか

就農支援を始めて20年ほどになります。2009年に私がお手伝いし都内で初めての就農者が誕生して以来、少しずつ輪が広がってきて、昨年9月に「東京NEO-FARMERS!」として活動するようになりました。といってもNPO法人などではなく、就農や農業に関する情報交換や支援のためのコミュニティです。

東京NEO-FARMERS!の松澤龍人氏。「東京都内で非農家出身者が農業を始める」いわゆる新規就農者が、東京で多く誕生している(撮影:梅谷秀司)

就農を目指す人たちは、特に最近の傾向ということではなく、全体的に「祖父母が農家で幼少期に少し手伝った思い出がある」「学生時代に農業体験をした」「手仕事が好き」「会社員生活に疲れた」といった人が多い印象ですね。

コミュニティのメンバーのなかには、「食べものを作れるようになれば、この先、何が起きても生き延びられる」なんて言う人もいますが、実際は農業だけで生活していくことはとても大変なことです。

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