ビッグ7のうち5か国(アメリカ、イギリス、フランス、インド、日本)が採用しているのが、「政府債務と支出モデル」である。
これは、政府が赤字を計上し、その支出が家計や企業の純所得を押し上げるという枠組みだ。
このモデルの「未来」を先取りしているのが日本である。日本はビッグ7の中で総債務が最高水準にあり、その主役は民間債務から公的債務へと入れ替わった。
1980年代後半、日本は異常なペースの民間融資によって不動産と株式のバブルに沸いた。
しかし、1990年代初頭の崩壊後、日本は「失われた数十年」と呼ばれる停滞期に突入した。民間部門が債務削減(デレバレッジ)に走る中で、政府は巨額の財政出動を繰り返し、民間債務がもたらす損失を政府債務で相殺してきたのである。
日本の教訓は、一度債務が異常な高水準に達すると、債務の増加が資産価値を押し上げる力が低下するという「収穫逓減」の事実を示している。
今や日本は、政府債務の増加によって家計所得を底上げし、中央銀行による資産買い入れで金融市場を下支えし続ける、ありがたくない「先駆者」となったのである。
ドイツの「独り勝ち戦略」に忍び寄る影
一方、ドイツは全く異なる「純輸出モデル」を武器にしてきた。アメリカなどとは対照的に、ドイツで最大の純損失を計上しているのは「海外(世界のその他の国・地域)」である。
ドイツの貿易相手が巨額の純損失を計上し、不足分を借金で賄うことで、ドイツの民間部門は国内の債務増加に頼ることなく、潤沢な利益と成長を享受してきた。
これがドイツの総債務がビッグ7の中で最も低位に留まっている理由である。




















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