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劇場版「宝島」に出資した映画ファンドに待つ運命/日本初の「映画ST」に元本割れの懸念、興行収入10億円超でも難しい投資家への利益分配

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映画「宝島」は製作費の一部をセキュリティー・トークン経由で投資家から募った(編集部撮影)

2019年に直木賞を受賞した小説「宝島」。米軍統治下の沖縄で生きる若者たちの葛藤を描いた作品で、25年9月からは同名の映画が全国で上映されている。

劇場版の宝島は、直木賞受賞作の映画化であること以外にも注目すべき点がある。デジタル証券のセキュリティー・トークン(ST)を通じて、製作費の一部を個人投資家が出資しているのだ。「映画ST」は日本初の試みだ。

原作の小説は文芸書としてベストセラーに輝いたが、映画の動員はどうか。興行通信社によれば、劇場版の興行収入は12月8日時点で6.8億円。STの販売説明資料に記載のある13.2億円もの製作費からすると物足りない。公開終了後の配信やビデオ販売といった追加収入も合わせて、製作費を回収できるかは不透明だ。映画ファンドに待ち受ける運命やいかに――。

10万円から映画に出資

映画STの販売が始まったのは25年7月。ブロックチェーン技術を用いて、あらゆる権利を容易にデジタル上で移転できるようになったことが契機だ。もっぱら社債や不動産の小口化に用いられていたSTを、映画製作への出資に活用する野心的な試みだった。

製作委員会の幹事は電通が務め、講談社や東映、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントなどが参加した。製作費の4分の1にあたる3億6800万円をST化し、フィリップ証券が1口10万円で個人投資家に販売。STの運用は東証スタンダード上場のフィンテック グローバル傘下の運用会社が担った。

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