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ライフ #長寿の金言

「82歳で台所をリフォーム」し、素敵に暮らす88歳。「60代、70代でリフォームしなくてよかった」と考える、"共感しかない理由"〈再配信〉

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リフォームの依頼をしたのは、空間デザインやプロダクトデザインを行うデザイナー。

髙森さんの当初のイメージでは小さなリフォームだったが、話し合いを重ねる中で、部分的ではなく、台所全体をリフォームしたほうがいいという結論になった。

「費用は300万円前後だったと思います」

まず車椅子対応として、二層式シンクとガス台を撤去した。シンクは広々とした一層式に変え、幅と高さを髙森さんの体に合わせて決めた。シンク下(足元)を75センチ空ける。ガス台は正面壁面から右側の壁面に移動し、ガス台下(足元)を1メートル10センチ空けた。

リフォーム後の台所。シンク下はすっきりと空間が生まれた(写真:書籍『85歳現役、暮らしの中心は台所』より、撮影:長谷川潤)

「ガス台とシンクの下が空いているというのは、視覚的にもこんなに気持ちがいいものかと実感しました。椅子に座って洗いものなどをしても、膝がシンク下まで入るので動きが楽です。更なる老後で車椅子になっても、シンク下まで車椅子が入るはずです。風通しがよく、すみずみまで掃除機が届くのも助かります」

シニア視点の収納の工夫

40年あまり使ってきた3台の食器棚とシンクの上の吊り戸棚はすべて撤去。ガス台とシンク下の収納も、オープンスペースにしたことで消滅した。食器棚の上の吊戸棚は一部だけを残した。あるものすべてを収める“昭和の収納”は務めを終える。

シンクの反対側の壁は全面マグネットにし、道具やメモなどを貼っている(写真:書籍『85歳現役、暮らしの中心は台所』より、撮影:長谷川潤)

「もともと背が154センチと小柄でしたが、いつの間にかまた縮んでいるの(笑)。今まで吊り戸棚の下の棚には手が届いていたのに、それもあやしくなってきて……。膝より下にある収納からしゃがんで重い鍋を取り出して立ち上がるなんて、さらなる老後はもう無理です」

食器棚もしかり。奥のほうにしまい込んだ食器を取り出すのは、シニアにはどうしたって億劫だ。しかし、使わない食器があるというのはもったいない。

「“使わない”と“いらない”は違うんです」と、髙森さんは言う。

現在の使い勝手から老化の具合、ご自身の性分まで勘案して、どこに何があるか一目瞭然で、奥まで見える収納にしたい。

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【大変身した収納たち】

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