「うちは3人きょうだいで、私が一番末っ子です。兄と姉の2人とも奨学金を借りて大学に進学していたので、私も『大学に進学するなら奨学金を借りるのが当たり前』なのだと思っていました」
父親は大工、母親は自営業。それほどお金に困っていたわけではなかったが、大林さんの進学前に父親が解雇されてしまう。
「そうした事情を踏まえて申請した結果、審査が厳しい第一種も借りることができました。そんな状況なので、親からの仕送りなどは特になく、入学後、父親が関東に出稼ぎに来てからは実家が消滅。母親と私が一緒に暮らすことになりました」
さすがに、その家賃は両親が負担してくれたため、奨学金から支払わずに済んだ。食事も基本的には母親が用意してくれた。
大林さんは在学中は100円ショップでのアルバイトと、大学の勤労奨学金制度(大学内で働いて報酬を得る制度)を掛け持ちして、毎月9万円程度を稼ぎ、そのうち3万円を両親に渡していた。「アルバイトをしたら親にお金を渡すのが当たり前だ」という謎の家訓があったそうだ。
「そこから、残りの6万円で教科書代や友達との交際費、お菓子代などをまかなっていたんです。私のストレスの発散方法のひとつがお菓子でした。完全にタガが外れました」
アルバイトの帰り道、隣にあるスーパーでお菓子を買って帰るのが大林さんの楽しみだった。なんともかわいらしい思い出である。
「家には夕飯がありますが、別腹という感覚で、自分で買ったポテトチップスやチョコレートを食べるのが小さな楽しみでした。シュークリームのような洋菓子ではなく、スナック菓子系が中心でしたね。実家にそういったものがなかったので、自分で買えること自体が喜びだったのかもしれません」
「バイト代の使い道」を同期と話して衝撃も…
そんな、学生生活を送る大林さんも大学4年生になると、研究室での実験や卒業論文が中心となり、アルバイトの時間は減った。その分、少し時間に余裕ができ、研究室の仲間と会話する時間も増えた。
ところが、そこで自らのお金の感覚と世間の間にズレがあることが発覚する。





















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