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AIブームが「ITバブル」とは違うこれだけの理由。投資対象が偏っている点は変わらないが…

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サンフランシスコのビル群(写真:Loren Elliott/The New York Times)

1990年代半ばに始まったドットコム・ブームは、現代のネットワーク社会の礎を築いた。だが、2000年3月に熱狂がバブルとなって弾けたときには少なからぬ混乱をもたらした。

混乱はシリコンバレーから実体経済へと波及し、アメリカ経済は景気後退入りした。株式市場から5兆ドル(当時の為替レートで約540兆円)もの時価総額が蒸発し、失業率は4%から6%に上昇。史上最悪の暴落というわけではなかったが、経済は何年も足を引きずることとなった。

巨大テックが瞬時に倒産するリスクはほぼゼロ

そして今、シリコンバレーはドットコム・ブームと明らかに類似するAI(人工知能)ブームの渦中にある。

「輝かしい未来が訪れる」といった宣伝文句の多くは当時と同じで、再び巨万の富を手にする者たちが現れ、その顔ぶれの一部はドットコム・ブームで富を築いたIT業界の面々と重なる。ついこの間まで存在しなかった企業に破格の評価額がつけられている点も、ドットコム・ブームと同じだ。

だが相違点も多く、ドットコム・ブームとはまるで異なる結末につながる可能性もある。

主な違いは、AIブームを資金面で支え、支配しているのがマイクロソフト、グーグル、メタといった兆ドル単位の時価総額を誇る大企業群であることだ。単なる思いつきとエンジニア集団以外に中身がなかったドットコム時代のベンチャー企業とは異なり、こうした企業があっけなく倒産するリスクは皆無に近い。

ほかにも違いがある。AIの行く手を阻む規制の壁は比較的低く、トランプ政権はAI主導の未来の実現をあらゆる面で助けている。90年代にクリントン政権が放ったビッグ・テックに対する一手が、マイクロソフトの提訴だったのとは対照的だ。

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【バブルが起きるとき】

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