A子:使えるサービスは積極的に使う姿勢が大事なんですね。
遠藤:私は超高齢出産だったので病院や行政に気にかけてもらえるかな、とうっすら思っていました。でも、実際は何もなかった(笑)。重要なのは子どもの年齢で、親の年齢は聞かれないものなんです。だから、大変なときは自分で言わなくちゃいけません。待っていても来ないものは来ません。
高齢出産の夫婦が今抱える、最優先課題は
A子:お子さんのこと、可愛いですか?
遠藤:それはもう! 言うことを聞いてくれなくて大変ですけど、日々のエネルギーになっています。仕事で疲れて帰ってきても娘の顔を見られると嬉しいです(と、スマホで親子動画を見せてくる遠藤さん)。
私たち夫婦の年齢では「子どもが自立するまでどうやって生活していくか」が切羽詰まった最優先課題です。教育費を捻出しつつ、老後費用も確保しなければなりません。若い世代の結婚ならこの先何十年働くことを見越して長期ローンも組めるでしょうが、55歳の私たちにはそのような勇気はなく、迷っているうちに都内の不動産が急上昇。今後も賃貸暮らしです。
娘が自立した後も彼女の負担になりたくありません。そのためには長生きするだけでなく心身が健やかでいること。「とにかく健康に生きる!」が私たち夫婦の目標です。
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以上が遠藤さんとA子さんの対話だ。立ち会った筆者が強く感じたのは、良質な情報を得ることの重要性だ。産後ケアセンターを運営する自治体もあることを知ったときA子さんの表情が少し明るくなった。
親や友だち、同僚には言いにくい話題でも赤の他人になら話せる場合もある。その他人が専門家の場合は適切な支援を受けられるだろう。筆者も親の介護の際に感じたが、福祉や医療の専門家が持っている情報とネットワークは膨大で、特にその地域内のことは知り尽くしていたりする。急に頼られることにも慣れている人たちなので、とにかく助けを求めると活路が見いだせるはずだ。
目の前の仕事だけをこなせばいい時期もあれば、自分にあえて負荷をかけて仕事で一歩踏み出すべき場面もある、という遠藤さんのアドバイスはA子さんだけでなく現役で働くすべての人に当てはまると思った。周囲と比較するのではなく、今の自分はどんなステージにいるのかを考えれば、答えは自ずと見えてくる。
若い頃から記者として夢中に働いてきた遠藤さん。悲しみや苦しみを乗り越え、今は一人娘を育てながら管理職にも取り組んでいる。だからこそ、力強くて温かい言葉が出てくるのかもしれない。
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