選挙結果を動かすのは、じつは、政策でも経歴でも、実績でもない。結局のところ、「候補者の伝える力」というケースも多いのです。
とくに今回、高市氏は特定の政策も掲げずに、「サナエかサナエ以外を選んでください」という究極の選択肢を提示、争点を党首の人気投票一択に絞り、勝負を自分の土俵に持ち込みました。
そうなれば、コミュニケーションの魔術師のお手の物。さらに、高市氏には、「ほくほく」するような僥倖(ぎょうこう)が舞い込みました。
対抗する立憲民主党と公明党が「中道改革連合」として共闘することになったのです。素人から見ても、首を傾げざるを得ない、古臭い党名。さらに、そこに登場したのが、新鮮味のかけらもない2人のシニア男性でした。
その他のメインキャラクターの面々も総じて、既視感だらけのおじさま方ばかり。この圧倒的ビジュアル格差が、スタートダッシュを分けたわけですが、その後も両者の距離はどんどんと広がっていきました。
「宣教師」と「説教師」に整理できる
高市氏と中道側のスポークスパーソンたちのコミュニケーションの対照的な特徴を表にまとめてみましたが、一言で言い表すと、「宣教師」と「説教師」という言葉で説明できるかもしれません。
「宣教師」とは、以下のような話し方を意味します。
日本の素晴らしさ、美しさ、ポテンシャルを説き、日本人の「アイデンティティー意識」を刺激。聴衆に高揚感をもたらす。
現代社会のさまざまな脅威や敵を明確化し、聴衆の恐怖心や不安、怒りを刺激しつつ、希望や日本人としての誇り、愛国心といった感情のスイッチを次々と押す。「美しい神の国」の復活を約束し、聴衆の魂の救済を約束する。
「この国はどんな国であるべきか」という国家像をビジュアルな言葉で明確に語り、その輪郭や世界観を浮き彫りにする。




















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