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キャリア・教育 #本当に強い大学2025

厳しさ増す大学経営を支える財務戦略の3つの柱。大学が直面する危機の構造と改革の方向性⑧

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  • 根本 武 アクセンチュア ビジネス コンサルティング本部 マネジング・ディレクター
  • 近藤 一歩 アクセンチュア 公共サービス・医療健康本部 アソシエイト・ディレクター

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ハーバード大学の基金(エンダウメント)は2023年度末時点で約500億ドル(約7兆円超)に達する(写真:じゃぱねっと/PIXTA)
大学が直面する危機の構造と改革の方向性について多面的に取り上げる本連載。前回はAI・デジタル時代に大学の教職員に求められる変革や役割の進化について紹介した。今回は、大学経営を支える強い財務基盤の実現に必要な3つの柱について解説する。

国内大学を取り巻く厳しい環境と財務戦略

国内大学を取り巻く環境は、かつてないほど厳しさを増している。18歳人口減少、国からの運営費交付金減少、寄付金や外部収入などの収入面の不確実性に加え、物価上昇・人件費高騰、法令対応や社会的要請への投資といった支出圧力も重なる。

大学が「教育と研究」という本来の使命を果たしつつ持続可能であり続けるためには、従来の予算重視型の運営を超え、適時で戦略的投資を拠出できる強い財務基盤の構築が不可欠である。強い財務基盤の実現に必要な三本柱を提示したい。

 

(1)管理会計を基軸としたエンダウメント型経営

最初が管理会計を基軸としたエンダウメント型経営だ。これまで筆者が支援してきた多くの大学が、運営を「年度当初に設定した予算をいかに使い切るか」という発想になりがちで、予算配分も経験や前例に依存するケースが散見された。

しかし大学の規模縮小や外部収入増加といった不確実性を踏まえると、早く正しく判断する力がその大学の生き残りを直接左右する。求められるのは、①財務データを組織やプロジェクト横断でタイムリーに比較・分析できる基盤の構築(多くの場合、システム内でのマスタ再構築やデータ整備が必要)と、②非財務データを含めたデータの利活用により施策単位で投資利益率(ROI)を可視化し、スクラップ&ビルドを実行できる環境である。

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【財務ポートフォリオを多様化する】

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