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交渉かデカップリングか、米中関係の“遠心力”。アメリカ政権内には複数のグループが並立

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  • 佐橋 亮 東京大学東洋文化研究所教授

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6月、英ロンドンで貿易協議を行った米中両国の閣僚(写真:AFP PHOTO/US Treasury Department/HANDOUT)
トランプ関税、ウクライナ戦争への対応、イランへの空爆。アメリカのトランプ大統領が世界を混乱させている。その言動は第1次政権以上に予測不能だ。本特集ではアメリカと、翻弄される世界の現在地を読み解く。

トランプ米政権が始まって半年。米国は中国にどう向き合うのか。優先するのは、経済か軍事か。経済デカップリング(分離)はどこまで本気なのか。台湾問題にどう対応するのか。いずれも日本にとって国益に直結する。

さかのぼれば1970年代から長年にわたり共産党の中国に関与し、その成長を支えてきた米国だったが、第1次トランプ政権で戦略を大胆に見直し、米中対立の構図を固めた。

過去にはキッシンジャー元米国務長官(2023年に死去)のように、無条件に中国に関与すべきという論者がいたが、この15年ほどで関与すれば何とかなるという楽観論はなくなった。今では党派を問わず、中国への警戒感が根強い。

トランプ政権の主眼は経済

トランプ政権の現在の対中政策の主眼は経済に置かれている。第1次政権では関税を政策手段として総動員する形で、4度にわたり関税をかけた(その多くはまだ残っている)。今回の政権でも、まずフェンタニル流入を名目にした関税(20%)をかけた。

4月2日に「解放の日」として中国に34%の関税をかけると、中国は即座に同様の関税率で報復し、そこから「やられたらやり返す」形で関税戦争に突入し、一時は100%を超える「実質的な禁輸」ともいわれる状況に陥った。

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