維新・吉村洋文が訴える「社会保険料引き下げ」の全貌≪医療費80兆円時代へ≫現役世代の負担軽減は実現するか?
塩田:通常国会の会期中もずっと議論が続いていた選択性夫婦別姓導入の問題については、どういう考えで、どんな取り組みを。
吉村:僕は物事を合理的に考えるので、イデオロギーの問題にすべきではないと思っています。基本的には選択的夫婦別姓に賛成の考え方です。旧姓をそのまま名乗りたい夫婦はいるわけです。実態として、名字が違っても、家族のきずなが失われることなんかないですよ。その選択を認めるべきです。シンプルに、それを選んだ夫婦は生涯、旧姓を自らの名字として使い続けることを法的に認める制度を作ればいい。戸籍の中にそのまま旧姓に法的効力を認めることを書き込む。
でも、こっちに振れる人とあっちに振れる人がいて進まないのです。両ウイングに分かれている。一つは、家族の氏は絶対一つで、別氏は認めるべきでないという。かたや、もう一つ、ものすごく反対する人は、戸籍が一つになるのが嫌だ、別々の戸籍で別々の氏で、と主張される方もいる。
維新の中にも、もちろんいろいろな意見がありますよ。でも、両ウイングに分かれていると、結局、制度は変わりません。維新はみんなの意見をまとめて、旧姓に法的効力を認めるという案で意思統一し、法案を出しています。ここで一歩前に進めるべきで、できるだけ早くやったほうがいいと思います。
トランプ関税のピンチをチャンスに変えるべき
塩田:一方、世界の動きを見ますと、今年1月からアメリカでドナルド・トランプ大統領が2回目の政権を担い、全世界を相手に高関税を課するという「トランプ関税」を打ち出しています。ロシアとウクライナ、イスラエルとイランの戦争を見ても、世界の軍事・安全保障の情勢は緊迫感が高まっていますが、トランプ再登場による国際経済の構造の大変革も起こりそうな気配です。国政政党の党首として、この点をどう受け止めていますか。
吉村:非常に憂慮しています。アメリカの国内事情も非常にきつくて、トランプ大統領はアメリカ国内の声を代弁しているんだと思いますが、トランプ関税は、世界の経済にとってはマイナスでしかないと思います。日本にとっても大きなピンチです。でも、それをチャンスに変えていくべきだと思っています。
日本は国益に資する交渉をきちんとまとめるべきです。例えば、米の輸入についても、日本は日本で今、 200%の関税をかけているわけですが、それで米の生産が強くなったわけではない。米農家さんの所得が上がったわけでもない。
今回、世界経済は大きく動くと思います、アメリカに輸出していたものが輸出しにくくなるとか、その先はどこに行くのか、考えると、世界の構造が変わってくると思う。ある意味で、それをチャンスに変えていくべきです。
日本の構造改革にもつながる。今、円安ですが、トランプ関税が進めば、少し円高に振れるだろうと思います。今度は日本自身の構造改革が必要になる。それにつなげていくきっかけにもなると思います。もちろん中小企業を支援する策は大阪でも検討しています。
中国とアメリカの関係が厳しくなり、中国で生産してもアメリカに輸出できないとなったら、中国に進出していた企業は工場を国内回帰させる方法があると思う。トランプ関税が日本企業の生産拠点を国内に回帰させるきっかけになるかもしれない。あるいは、日本が保護主義的に守ってきたものを開放することによって、日本の国内の生産力を強くするとか、そういう政策に変わってくる可能性がある。
だから、トランプ関税はマイナス要素が大きいのは事実で、それを最大限回避しつつ、一方で黒船的な要素はあるのではと思います。今、金融機関を通じて調査しているのですが、約6割の企業は何らかの影響が起こる可能性もあるとのことです。一方、輸出企業のうち、2割は悪影響が生じるという調査結果も出ています。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら