【バイク旅を楽しむ、国産最新ツアラー2選】ヤマハ「トレーサー9GT+ Y-AMT」とカワサキ「ニンジャ1100SX/SE」どちらを選ぶ?
また、最新の電子制御システムも満載だ。クラッチ操作なしでシフトチェンジを可能にする「KQS(カワサキクイックシフター)」、設定したスピードでの巡航を可能にする「エレクトロニッククルーズコントロール」を採用。さらに「KTRC(カワサキトラクションコントロール)」や「パワーモード」と連携する包括的なモードセレクト機能「インテグレーテッドライディングモード」も装備することで、高い動力性能を持ちながらも、幅広いスキルのライダーが安全かつ快適に走ることを可能としている。

ちなみに、車名にあるニンジャは、もともと1984年に登場した名車「GPZ900R」の北米仕様車の名称だ。このモデルは、1986年公開のハリウッド映画「トップガン」の劇中で、主人公役を演じたトム・クルーズ氏が乗ったこともあり、世界的に大きなセールスを記録。のちに続く、カワサキ「ニンジャ」ブランドの礎となった名車だといえる。そして、2024年には、そのGPZ900R生誕40周年ということで、記念モデルの「ニンジャ1000SX 40thアニバーサリーエディション」も発売。1985年型GPZ900Rの車体色をオマージュした「赤×黒」のカラーリングを採用したことで、大きな話題を呼んだ。
最新モデルとなるニンジャ1100SX/SEの特徴

そんなニンジャ1000SXの後継として2025年3月29日に発売されたのがニンジャ1100SXとニンジャ1100SX SE。主な変更点は、まず、前述のとおり、排気量を先代の1043ccから、ストローク量を3mm延長することで1098ccにアップさせたこと。また、最高出力を先代の104kW(141PS)に対し100kW(136PS)とややダウンさせ、そのぶん最大トルクを増大。先代の111N・m(11.3kgf・m)に対し、新型では113N・m(11.5kgf・m)となっている。
こうした変更点は、カワサキの開発担当者によれば、「最高出力よりも、もっと街中やツーリングなどでの常用回転域での使いやすさを向上してほしい」といったユーザーからの声を反映させたものだという。とくにトルクは、最大スペックの増大だけでなく、低・中回転域を太くする特性に変更。5速と6速のギア比をロング化したことと相まって、たとえば高速道路で一定速度をキープし巡航する際、従来より低い回転数で走行することが可能。同じ速度域でもより低い回転数でクルージングできることで、エンジンからの振動などを低減でき、さらに快適かつ余裕ある走りを実現しているという。
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