魚の獲りすぎで日本は過去最低…。寿司に訪れつつあるヤバすぎる事態

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(出所)GLOBAL NOTEに掲載の国際連合食糧農業機関のデータを基に筆者作成

国際的な視点から俯瞰すれば、その根本原因は明らかに科学的根拠に基づく資源管理制度の不備にあります。国は国際的に見て遜色がない資源管理システムの導入を目指しています。

しかし海外の成功例と比較して明らかに誤っているやり方で衰退が続いていても、資源管理に関して、社会に正しい情報がほとんど伝えられてきませんでした。このため日本人の資源管理に関する意識もかなり世界とずれてしまっています。このため改善は足踏み状態です。

稚魚(種苗)放流で資源が回復するという誤解

水産資源を復活させて漁獲量を回復させるための手段は「科学的根拠に基づく資源管理」に尽きます。ところが、我が国では資源管理の手法に対する誤解がいくつも存在しています。神頼みや儀式や効果がない手法では資源は回復しませんし、その効果は限りなくゼロです。

効果があるようでほぼないのが稚魚(種苗)放流です。その一例として、今月神戸市で行われたイカナゴの稚魚(種苗)放流の例を挙げます。稚魚を水槽で10センチくらいに成長させ2000尾ほど放流したそうです。

海とイカナゴ(写真:筆者提供)

この写真は兵庫県産のイカナゴです。2~3センチ程度のイカナゴの稚魚が1パック250尾ほど入っていました。写真のパックのイカナゴ8パック分を10センチ程度に育てて広い海に放って、それが果たして広い海の漁業に貢献するようになるのか、非常に疑問です。

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