たとえば、東京であれば、東大生と出会う機会は日常の中にたくさんあります。塾のチューターが東大生ということもありますし、知人の兄が東大生だったり、町中で東大のロゴの入ったバッグを見かけたりすることもあるでしょう。それだけで「自分にもいけるかもしれない」と思える機会が生まれるのです。
一方、大学そのものが存在しない地域だと、塾に現役の大学生がいないことも多いです。まして、東大生と出会ったことがあるという生徒はごくわずかな地域もあります。これは、「目指す対象」が身近にいないという環境的な問題であり、想像力の限界とも言えるかもしれません。どんなに情報格差が狭まったとしても、「会ったことのある人」と「そうでない人」とでは、差が出てくるのかもしれません。
漫画『ドラゴン桜』では、このような状況を「なあんだ現象」と呼んでいます。「あの人でも東大行けたなら、自分でもいけるかも」と思えることで、人は初めて現実的にその目標を目指せるようになる、というものです。
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