1980年代後半の川越の写真を見ても蔵造りの街並みは残っているが、その後電線の地中化や、歴史的建築の保存活用なども進み、1999年には、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定。それ以後も、蔵造りのレプリカ建築などが造られ、ますます歴史的要素がショーアップされるなどで、観光都市としてますますの盛り上がりを見せている。


イジられにくい希有な土地柄
川越では、東武東上線とJR川越線の川越駅、そして西武新宿線の本川越駅と3路線もの鉄道駅が都心とをつないでいる。1989年の写真を見てもJR、東武の川越駅前では再開発が進み、商店街はにぎわっている。
商業都市としての歴史がある一方、近代には工業都市としても、観光地としても発展。
埼玉県内の政令指定都市はさいたま市のみだが、川越市は、越谷市、川口市と並んで中核市となっている。歴史があり、観光地でもあることから、他県人から「翔んで埼玉」的なツッコミやイジりは入れられにくい、県内では稀有な土地柄だ。
埼玉と言っても、東京都と接している県東南部と、川越、秩父、そのほかにも熊谷、行田、本庄、加須などでは、地域性も個性も大きく異なる。
県東南部内だけでも、浦和と大宮、川口や、JR各線、西武線、東武線と沿線別に対立の構図が発生しがちで、無用な衝突を避けたい埼玉県民が自虐に走るというテクニックを駆使する例もよく見られる。
他県民から見て、誠に興味深い地域と県民性に満ちているのだが、そんなことも映画「翔んで埼玉」の大ヒットにつながったのだろう。
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