路面電車と違う迫力「道路に乗り入れた列車」列伝 名鉄や新潟交通、京津線など「併用軌道」の記憶
この珍しい鉄道・道路併用橋は、2000年3月に隣接して道路橋が開通したことで解消された。旧犬山橋は鉄道橋として今も使われており、現在は併用橋時代の倍の速度である最高時速60kmで電車が通過している。鉄道橋と並行しているところから、道路橋は「ツインブリッジ」という愛称がある。

今年、久しぶりに犬山橋を訪れたが、鉄道橋は往年の荘厳な鉄骨トラス橋のままで、石組みの橋台も保存され今も活用されている。ツインブリッジの間の両端には展望バルコニーが設けられ、写真も撮りやすくなっている。30年ぶりに鉄道橋の電車を撮ると、予想外の速さにシャッターのタイミングがずれたが、それも懐かしい思い出の一コマを思い出すきっかけとなった。

岐阜市内を走った大正生まれの「丸窓電車」
名鉄といえば、岐阜市街地の道路上を走った「丸窓電車」モ510形にも触れておきたい。岐阜市内線と揖斐線(ともに2005年廃止)を直通する急行として走っていた電車だ。

岐阜市内線は全線がほぼ道路上を走る併用軌道の路面電車で、国鉄(JR)岐阜駅北口から新岐阜(名鉄岐阜)駅を経て、徹明通り―忠節間は忠節橋通り、徹明町―長良北町間は長良橋通りを通っていた。
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