【“認知症1200万人時代”到来へ】2050年に消費額は「16.9兆円規模」に拡大 企業は経営戦略として「認知症」に向き合え

2050年には、日本の人口のおよそ10人に1人が、何らかの認知機能の障害を抱える社会になることが予想されている。企業は“認知症の人への対応”を「福祉」や「社会貢献活動」ではなく、明確な経営戦略の一部と捉えるべき局面に来ている(写真:IYO / PIXTA)
いまや日本では、認知症や軽度認知障害(MCI)を抱える高齢者が、合計で1,000万人を超えている。65歳以上のおよそ3.6人に1人に該当する計算であり、認知症は決して「特別な一部の人」の話ではない。
そしてその数は、今後さらに増加する。厚生労働省の推計では、2050年には認知症が約586万人、MCIが約631万人、合計で1,200万人を突破する。
日本の人口のおよそ10人に1人が、何らかの認知機能の障害を抱える社会になるということだ。

(出所:国立大学法人 九州大学「認知症および軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究 報告書」(令和6年5月)を基に日本総研作成)
認知症は「ビジネス」でも無視できない存在に
かつては認知症というと、医療や福祉の領域で語られることが多かった。だが今や、そうした枠組みだけでは対応しきれない。
認知症は、社会のあらゆる領域──とりわけビジネスにとっても、無視できない存在になってきている。
本稿では、認知症の人を「顧客」、そして、認知症の人の日々の生活を支える製品・サービスを「成長産業」と捉え直し、企業がどのようにこの新たな成長産業と向き合うべきかを、生活実態・市場規模・製品開発の視点から読み解いていく。
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