「四季報・夏号」3900社の記事を読み込んだ編集長が注目したポイント サンリオ、神戸物産、パルグループ…

今回の「四季報」は大変だった?
――今回の『会社四季報』、編集長的にはだいぶ苦労されたと聞きました。
はい、例の「トランプ関税政策」問題の影響をどう見るかが、かなり悩ましかったです。『会社四季報』は東京証券取引所に上場する3900社すべての企業の業績見通し、今年でいくと2026年3月期の見通しを掲載するのが目玉なのですが、会社側がトランプ関税の影響がわからないからと、業績予想自体を出さないのではないか、という心配もありました。実際コロナのときは非開示にした会社が多かったですし……。
フタをあけてみれば、私が想定したより多くの企業が業績見通しを出しましたが、それでも、会社によってその「数字の出し方」がマチマチで、これがまた複雑でした。業績予想は開示するけれど、トランプ関税の影響はまったく数字に織り込んでいません、とか、うちはこういう想定でこうこう織り込んでいます、とか。
――『四季報』で数字の前提が違うと、投資家の方を迷わせてしまいそうですね。
そうなんです。米国市場への依存度が高い会社、たとえば自動車メーカーなどは関税の影響が大きいわけですが、数字の前提が少し違うだけで見え方が大きく違ってきます。