「四季報・夏号」3900社の記事を読み込んだ編集長が注目したポイント サンリオ、神戸物産、パルグループ… 

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――なるほど、マーケティングをはじめとして会社の中身自体が時代に合う内容に変化してきて、それで今のブームや業績があるということですね。

今はハローキティだけでなく、クロミですとか、いろんなIP(知的財産)が広がってきている。それも好調の要因です。昨年、キティちゃん50周年のイベントがありましたが、それもまたうまくやっているんですよね。

伸びる「内需系」、神戸物産やパルグループに注目

――ほかに今回の四季報で、個別企業として気になった会社はありましたか。

今年は、例の関税の影響もあって輸出系の企業の先行きに不透明感がありますが、それとは対照的に、日本国内を市場とする「内需系」の会社が比較的堅調、というのが大きな特徴です。その中でも、消費者の節約志向をうまく捉えている会社の業績が堅調と、今回の四季報を通じて感じました。

紳士服を展開するAOKIの「第二の柱」が成長している(撮影:今井康一)

例えば業務スーパーをFC(フランチャイズ)展開している神戸物産(3038)。あとはアパレルのパルグループホールディングス(2726)、それから紳士服のAOKIホールディングス(8214)。このあたりの伸びが目に留まりました。

――パルグループ、私もよくSNSなどの投稿を見ていたらポチっとしてしまいます。

パルのブランドで有名なのは300円の雑貨を軸に展開する3COINS(スリーコインズ)ですが、それだけでなく、アパレルなど様々な業態を展開しているのがこの会社の特徴ですね。そのアパレルのノウハウをさまざまな業態の売り場、陳列をはじめとして展開している。そうした点が、ほかの100円均一や安価の雑貨店との違いになって、消費者に受けています。

AOKIはもともと紳士服、スーツの会社ですが、第2の収益柱が育ってきている。それが複合カフェなどのエンタメ事業。とくにカラオケや漫画コーナーなどを複合的に展開する「快活CLUB」が非常に伸びています。

最近は、鍵付きの個室などに力を入れて増やしていますね。テレワークの日にオンライン会議にそこから出たりするなど、様々な用途への対応で消費者をうまく取り込んでいるなと思います。

あとは昨年、タレントの小嶋陽菜さんのブランドを買収したことでも注目された、yutori(5892)。アパレルの会社なんですが、社員の平均年齢が25歳ぐらいと非常に若い会社です。ZOZO(3092)が大株主で、その販路を活用したりもしているようです。

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