「やるべきことが多すぎて、どこから手をつけたらいいのかわからない」悩む時間を最小化するための思考法

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マトリクス思考は課題を整理するために有効だが、それ以上のポテンシャルをも備えているようだ。自分の考えを明確にし、効率的な意思決定を促すためのツールとしても有効だというのだ。

そこで本稿では、そんなマトリクス思考の効用を確認してみることにしよう。

マトリクス思考の効用

変化の著しい昨今では、ありきたりな経験則や従来の方法論だけでは太刀打ちできないことも多い。テクノロジーの分野でも新たな概念が次々と誕生し、それに伴って人々の価値観も急激に変化している。したがってビジネスパーソンも、課題発見力や創造力、柔軟性をさらに高めていく必要があるだろう。

もちろんそれは簡単なことではないが、だからこそマトリクス思考が一助となってくれるようだ。

前述のとおり、2本の線を引いて象限(セル)の意味を考えたり、要素をプロットするだけで、さまざまなシーンでの課題解決に高い効果がもたらされるというのである。なにしろ発想自体がシンプルなので、自分でつくることも可能。したがってマトリクスの数は無限大であり、それらを目的に合わせて自在に活用することができるわけだ。

リソースをどこに振り分けるべきか

自己の思考プロセスの観点

自己の思考プロセスの観点では、以下の効用が期待できるという。

① 物事を大きな抜け漏れなく整理することができる(「MECE=漏れなくダブりなく」で考えることができる)
② 新たな気付きを得ることができる
③ 意思決定に役立てることができる
(19ページより)

まずは①について。たとえば以下のように、課題に対する解決策を頭のなかに漠然と思い浮かんできた順に箇条書きしていったとしよう。

シチュエーション:奥さんに気のきいた誕生日プレゼントを贈りたいが何がいいか悩んでいる

・豪華ディナー
・ペット
・旅行
・バッグ
……(19ページより)

このように書き出していけば、いずれ適切なアイデアを思いつくかもしれないが、抜け漏れ(=見落とし)が発生しがちでもある。

しかし、「形に残る/残らない」「お金がかかる/かからない」という2種のマトリクスをつくってみたとしたら、「形に残る」×「お金がかからない」という象限に、手づくりの写真アルバムやオリジナルの曲や絵など、具体的なアイデアを加えることができるだろう。箇条書きの段階ではなかった発想なので、これだけでも大きな収穫だといえる。

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