トランプ企業が発売の≪金色に輝くスマホ≫大統領ビジネスの次なる一手は“利益相反”の可能性も
T1 Phone は、価格499ドル(約7万2000円)で、8月に販売開始を予定している。予約にはデポジットとして先に100ドルを支払う必要があるが、契約前の信用調査も不要で、トランプ氏の人気が高い低所得者層が購入するためのハードルは低い。
ただ、ここで注意が必要なのは、公開されているT1 Phoneの画像は、実物ではなくCGレンダリングだというところだ。金色に輝くスマートフォンはいかにもゴージャスだが、実機がまったくこの通りの外観かどうかはまだわからない。Trump Mobileのウェブサイトには、ところどころ表記の誤りが見受けられ、一部にはiPhoneとみられる画像も使用されている。
また、エリック・トランプ氏は保守系インフルエンサーのベニー・ジョンソンとのインタビューの際に、Trump Phoneのウェブサイトにある「誇りをもってアメリカで設計・製造された」との文言について問われた際、これは単に願望的な意味合いであり「最終的にはすべての携帯電話をアメリカ合衆国で製造できるようになるだろう」とはぐらかした。
そもそも、スマートフォンを完全にアメリカ国内で製造すれば、1台499ドルという価格で売るのは難しい。完全アメリカ製をうたうスマートフォンとしてはPurismの「Liberty Phone」という機種が存在するが、その価格は1台2000ドルもする。
Trump Mobileのカスタマー担当はメディアに対し、大統領によって輸入スマートフォンへの25%の関税が課されたとしても、T1 Phoneはその影響を受けないと説明したが、本当にそうであれば、エリック・トランプ氏の発言とは矛盾してしまう。
ちなみに、トランプ大統領は4月の関税の導入以後、アップルに対してiPhoneをアメリカ国内で製造するよう求めている。だが、アメリカ国内でiPhoneを製造すれば、1台あたりの価格は約3000ドル(約44万円)にも跳ね上がると言われている。
トランプ大統領にちなんだ通信プラン
Trump Mobileが9月に提供を開始するという通信プランは「The 47プラン」と呼ばれ、通話およびテキストメッセージが無制限に使えるほか、20GBまでのデータ通信、100カ国への無料国際通話(一部時間制限あり)、軍人やその家族に対する無料長距離通話が付与される。
さらにDrive Americaとの提携による24時間年中無休のロードサービス、遠隔医療プロバイダーであるDoctegrityとの提携による診察やメンタルヘルスサポートサービス、処方箋薬の配達サービスなども提供されるという。ただし、この医療サービスについては、通常なら月額29ドルが必要になる。これがプランの月額費用に含まれるのかどうかは不明だ。

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