「しばらくはこの部屋で寝ていたんですが、途中で布団も敷けなくなってしまって。都度ゴミを動かしながらほぼ風呂場の前で寝ていました」
そう話す会社員の住人は50代の男性だ。この部屋に住んでから30年が経っている。本人いわく、部屋が散らかり始めたのは約10年前からだという。
「10年前まで同性の友人と2人で暮らしていたんですが、突然出て行ってしまったんです。それを機にいろいろ嫌になり、荷物が増えていきました。それでも最初は自分で片付けをしたり自炊をしたりしていたんですが、だんだんと“何もしたくない”と思うようになってしまいました。ここ5年で一気に散らかってしまいました」

ここまで散らかってしまうと、いったい部屋の中に何があるのか自分でもわからなくなってしまう。「あれがいる、これがいる」とモノを買うが、それも部屋の中に埋もれてしまう。結局また買い足すことになり、モノがゴミに変わっていってしまった。
本当に必要なモノは事前にピックアップしてくれていたが、それでも部屋の中には大量のモノが残っている。しかし、「この際すべて処分してしまいたい」とのことだ。

30年間“洗ったことのない”浴室
玄関の右手にはリビングがある。しかし、ゴミに遮られ、奥にあるキッチンまで行くことができない。部屋の中を移動していると、通路がやけに狭いことに気づく。部屋に入りきらなくなったゴミの逃げ場がなく、雪崩のようにあふれ出しているのだ。

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