東洋経済オンラインとは
ライフ #井手隊長のラーメン見聞録

「床が油でギトギト」「メニュー表もベタベタ」…そんな店じゃダメだ! 『ラーメン屋の墓場』で店を繁盛させた若手店主、清潔さへのこだわり

8分で読める
  • 井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン
2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES
5/5 PAGES

とは言え、従業員の全員が、りゅう社長と同じくらい、清潔さへの意識が最初から高いわけではなかった。そこで、りゅう社長は従業員との基準合わせに時間を使った。

例えば、従業員と旅に出て自分たちの飲食ビジネスのビジョンを話し合い、基準値を合わせていった。普段から飲食店視察を繰り返し、お客様目線を常に大事にし、清掃やサービスが行き届いていないお店を反面教師にして、店づくりに生かしていった。

さらに、りゅう社長は現場を放置せず、定期的にチェックし、基準からズレていたら都度説明をして理解してもらう。怒るだけではダメで、目線を合わせることが大事だ。すべては経営者と社員の基準を合わせるためだ。

りゅう社長が従業員に説明するのによく使うのが“車理論”だ。

「自分の高級車を汚く乗り回すのは嫌じゃないか?」と問うと、大抵は「嫌です」と答える。大切な高級車を預かった気持ちで、常に高級車をかっこよく乗り回している感覚で、お店も最高に綺麗に乗り回してもらいたいとお願いするのだ。すると、従業員も自ずとやらなければいけないマインドになるのだという。

「こういったことはセンスや経験は関係なくて、誰でもできることです。この文化を広げないといいお店はできないと思っています。

どんなに好調でも物は大事にする。これを習慣化する。毎日やる。その結果売り上げが上がっていけば従業員も増え、さらに掃除ができるようになり、好循環になっていきます」(りゅう社長)

目指すのは「360度かっこいい店舗創り」

清潔感のある店だからこそ、美味しさも味わえるというものだ(筆者撮影)

りゅう社長が目指すのは「360度かっこいい店舗創り」。お客さんに見える部分だけではなくすべてをきちんと整えることを徹底している。採用の面談でもここについては強く話している。

『できる人だけが知っている 「ここだけの話」を聞く技術』(秀和システム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

「飲食店はチームの軸を作ってこそ強くなります。軸さえしっかり作れれば、あとはやるべきことをスポンジのように吸収していけます。

根っこがしっかりしているからこそ粘り強いよいチームが作れるんです」(りゅう社長)

りゅう社長はお店や自分の顔が有名になることに走らず、経営の土台をしっかり作ってこそ飲食店運営が成り立つということを強く意識している。

普段のSNSでしかりゅう社長を見ていない人にとっては意外だったかもしれないが、こういった土台作りの上にりゅう社長の話題性が乗っかっていることを、筆者としては伝えたいものだ。

【もっと読む】「安く食べてほしい」に毒されていた…。650円だったラーメンが15年で1800円となった「飯田商店」。変えたのは自分たちの“思い込み“だった では、ラーメンライターの井手隊長が日本一のラーメン店・飯田商店の飯田店主へインタビュー。15年間を振り返りながら、ラーメンの価格の変化について語ってもらっている。
この連載の一覧はこちら

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象