東大病院で救急医療の最前線にいた医師が気づいたこと――俯瞰こそが「最大の心の武器」であり「人生の大きな助け」になる

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自分が変わると、自ずと状況は変わっていきます。この内省のプロセスを通じて、自分のエゴを認識し、内面に向き合う力が養われていくのです。

「あきらめ」は“賢明な選択肢”

物事を「あきらめる」というと、どこか残念で後ろ向きなイメージがありますが、そうではありません。むしろ、「あきらめる」ということには、得難い効用があるとさえ私は感じています。

やすらぎの世界(こころ)は過去と未来を超えて - 東大名誉教授 矢作直樹の言葉 不本意な過去と不安な未来から解き放たれ、あなたの目の前に「今」というやすらぎが現れる -
『やすらぎの世界(こころ)は過去と未来を超えて』(ワニブックス)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

この世はままならないことを知る。現実を受け入れ、流れに逆らわない。そんな世の成り行きを「明らかに見極める」こと。そしてあきらめることも、自分が本当に向き合うべきものに集中するための、1つの賢明な選択肢であることを知る。

そうすることで、執着や期待を手放し、心は軽くなっていきます。

その境地に至る「あきらめ」は、うまくいかないことに対してすねるとか、放り投げることではありません。それはむしろ、成熟した大人の判断であり、自分を傷つけず、他者を傷つけることもない選択といえるでしょう。それが「あきらめる」ことの効用であり、真髄なのです。

あなたがどんな道を選択しても、それはすべて、あなたにとっての学びになるのです。

矢作 直樹 東京大学名誉教授/医学博士

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やはぎ なおき / Naoki Yahagi

1956年、神奈川県生まれ。1981年、金沢大学医学部卒業。その後、麻酔科を皮切りに救急・集中治療、内科、手術部などを経験。1999年、東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻および同大学工学部精密機械工学科教授。2001年、東京大学大学院医学系研究科救急医学分野教授および同大学医学部附属病院救急部・集中治療部部長。2016年3月に任期満了退官。著書に『人は死なない』(バジリコ)、『天皇』(扶桑社)、『「ねばならない」を捨てて生きる』(幻冬舎)、『自分を好きになる練習』(文響社)、『そろそろ、自分を解放する』(KADOKAWA)、『幸せに生きるための心持ちと食』(青林堂)、『あらゆるストレスが消えていく50の神習慣』、『神様からのお便り』(ともにワニブックス)など多数。

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