オリコ梅宮社長、赤字続くインドネシアとタイの自動車ローン事業について構造改革実施へ

クレジットカードなどノンバンク事業を手がけるオリエントコーポレーション(オリコ)は海外ビジネスの立て直しを急ぐ。赤字の続くインドネシアとタイの自動車ローン事業について構造改革を進め、事業の在り方そのものを議論する。
4月に社長に就いた梅宮真氏はブルームバーグとのインタビューで、両国の事業について、「今のまま続けるかは見極めたいが、やめるかどうかは決めていない」と説明。その上で「まず筋肉質にした上で新しい戦略を描けるか、独自でやるか、パートナーと組むか、この1年を見極めて考えたい」と述べた。
少子高齢化の進展や長期にわたる低金利環境の下で、日本の金融機関は、アジア市場などに成長機会を求めてきた。ただ、投資効果を得られず撤退や縮小を迫られるケースも散見され、市場開拓を進めてきたオリコの経営判断にも注目が集まっている。
オリコは東南アジア地域を成長領域と位置付け、2015年にタイで事業会社を設立、21年にはインドネシアの現地企業に出資した。両国では主に中古車・新車ローンを手がけるが、自動車販売の低迷や貸倒関係費用が重荷となり、経常損益は前期(25年3月期)までの2期連続で赤字を計上した。
梅宮氏は「市場をよく見ず、少しリスクの高いところに突っ込んでしまった」と振り返った。現在は自動車ディーラーの加盟先を大幅に絞り込み、単月での黒字化定着を図っていると明かした。
ROE12%以上目指す
オリコでは海外事業を含めた構造改革により、中期経営計画で5年後の30年3月期に、株主資本利益率(ROE)を12%以上に引き上げることを目指している。前期(25年3月期)は5.8%にとどまる。
実現に向け人件費を含めた経費削減にも力を入れる。同中計に盛り込んだ今後5年間で全社員の1割に当たる900人を削減する計画に関連して梅宮氏は、希望退職は募らず、採用コントロールによる自然減で実現したい考えを示した。
また、ROE向上につながる自社株買いについては「今の段階では想定していない」と述べた。スマートフォンアプリで完結するデジタル分割払いサービスなどに注力して売り上げを伸ばし、経費削減と合わせて成長させる方針を強調した。
著者:鈴木英樹、浦中大我
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